配当金狙いの株式投資。私の過去の失敗・痛い経験について

2025年11月1日

今回、私が配当金を狙った株式投資をした際の失敗談、実際にあった痛い経験を書きます。

特に株式投資を始めたばかりの頃は、配当利回りの高さにつられて痛い思いを何度もしました。現在はその経験から失敗が減ってきましたが、肝に銘じています。

業績悪化で減配当、株価下落で無配当に

配当狙いの場合、当然ですが配当金が多く、利回りが高い方が良いですよね。しかし、利回りが高いパターンは複数あります。

下記は大塚家具の過去の株価チャートです。

参照：SBI証券　大塚家具株価チャートより

2015年12月期、2016年12月期の年間配当金は80円でした。株価2,000円で取得しても配当利回りが4%、1,500円以下で取得した場合は5%を越えました。

有名な投資家や雑誌などで「大塚家具は年間利回りが5%を超えてオススメ」と紹介されていましたが、次第に業績悪化。

大塚家具は2017年12月期の配当が半分の40円に、2018年12月期からは無配当となりました。

当然、株価も大きく下落。最終的にはヤマダホールディングス(ヤマダ電機)に吸収される形で2021年8月末に上場廃止となりました。

大塚家具は利益以上の配当金を出すこともあり、かなり業績が良くならないと配当を維持するのはそもそも無理でした。

現在の利回りだけで判断するのではなく、なぜ高い配当利回りなのか。配当金が減りそうな雰囲気（利益推移・配当性向）をつかむことが重要という経験でした。

現状の配当利回りの算出方法は単純で「配当金額」と「株価」のみで決まります。

「配当利回りが高くなった」というのは「配当金が増えた」か「株価が下落した」の二つです。相場全体が下落しているわけでもないのに利回りが高い。というのは何かしら問題があることが多いですよね。

「なぜ高配当なのか」、「なぜ高配当になったのか」冷静に考えることが大事ですね。

利益・配当推移が安定、配当性向も問題ない銘柄は安全かというと、絶対安全とは言えないですよね。

下記は東京電力の株価チャート30年分です。

参照：SBI証券　東京電力ホールディングス株価チャートより

東京電力は2000年頃、年間配当60円前後で安定していました。

高配当とはいえないですが、買った時期によっては十分な利回りでした。多くの人が業種的にも「安定している」と考え、銀行や証券会社から薦められ保有する人も多かったです。2008年のリーマンショック時には多くの銘柄が半値以下になる中、比較的影響が小さく、安定配当を継続していました。

しかし、東日本大震災以降に株価は暴落、2012年3月期から無配当が続いています。今後も配当金が戻るには時間がかかる可能性が高いです。震災前にこの事態を想定できた人はほぼいないです。

「業績が安定、利回りが平均的ならばリスクは低め」というのを目にする事があります。しかし

安全・安心と言われている銘柄でも100%安全なものはないという経験でした。

株式投資に限らないですが「投資に絶対儲かる、絶対安全」は無いですね。長く株式投資をしていると必ず暴落に当たります。いつ、何が起きるか分からないのが投資です。「絶対」という言葉を使うのは投資初心者です。

「絶対に安心できるのは無い」と言う意味でも分散は必要だと思います。しかし、分散してもほとんどの株が下落することもあります。そのため、現金比率（不測の事態に備えて現金を残す）や株式以外の選択肢を取ることが本当の分散なのかもしれません。

雑誌などで紹介されことの多い高配当銘柄ですが、基本的には現時点での利回りです。重要なのは「どうして高い利回りなのか」ですよね。

紹介された銘柄、高配当銘柄が悪いというわけではないです。しかし、紹介された銘柄が大きく減配・無配となるケースを私はたくさん見てきました。

「なぜ？」という疑問を持ち、周りの言葉を聞くのも良いですが最終的には「自分で考えることが重要」と考えています。

注：長期保有の配当金狙い投資としてのあくまでも個人的な感想です。投資の判断はくれぐれも個人の判断でお願いします