株式投資では利益が出る確率が高いのは長期保有という話

今回の話は「あくまでも理屈的」なものです。

得意・不得意など様々な不確定な要素を排除した、「確率的な話」で良く聞くのを紹介します。「短期投資が悪くて長期投資が良いという話では無い」です。

あくまでも確率的な話

投資の手法、考え方は人それぞれありますよね。

私は短期投資が悪いとは思いません。一気に資産を増やすには短期で大きく売買するのが1番ですし、短期投資が出来た方が選択肢が広がるので良いと思っています。しかし、短期売買には不利な点があるのです。

取引回数が増えると手数料が増える

投資をしている人は必ずと言っていいほど知っている事ですが、基本的に株式の売買には手数料が発生しますよね。

昔と比べるとネット証券が増えたこともあり手数料はずいぶんと安くなりましたが(中には無料もあり)、それでも毎日何回も取引すれば結構な手数料になります。「取引回数は出来るだけ少ない方が良い」という理由で長期保有の人もいますよね。

証券会社は手数料で成り立つビジネスなので、多く取引をしてもらいたいですよね(株式取引の場合)

取引回数が増えるほどマイナス確率が上がる?

短期投資の場合、基本は「キャピタルゲイン狙い」になります。

簡単に言うと「買った時よりも高い株価で売る事」のみになります。信用取引で売りから入ることもありますが「売買のみでお金を増やす」ことになります。

取引例1

株価が10%上昇したら利益確定、10%減少したら損切りというルールを設定します。100万円分購入した場合は、110万円になったら利確、90万円になったら損切りですね。

同じことを繰り返した場合を検証してみます。

110万円分購入した場合、10%減少したら損切りで99万円です。90万円分購入して10%上昇して利確したら99万円になります。

つまり、初期投資金額から利益確定と損切りを繰り返した場合、100万円->99万円->98万円と資産がどんどん減っていくのです。

上がる確率、下がる確率ともに同じで、利益確定、損切りを同じライン、所持金全てをそのまま転がした場合、どんどんマイナスになるのです。

取引例2

100万円を取引金額とします。10万円プラスで利益確定、10万円マイナスで損切りルールとします。

この場合、利益確定と損切りの回数が同じ場合、資産は変わりません。しかし、損切りの回数が利益確定より10回多くなるとマイナス100万円で取引金額が0円になります。短期取引の場合、取引金額が大きくなることも多く、連続して損切りを行うと資産が無くなる可能性があります。

コインの表裏の出方を考るとわかりますが、試行回数が増えれば増えるほど表が連続する時、裏が連続する時が出てきます。

あくまでも完全に50%という前提の話です。当然ですが、利益確定の回数が損切りの回数より多い場合、取引回数が増えれば増えるほど資産は増えていきます。

長期投資が必ず正解というわけではない

次に配当狙いの長期保有を考えてみます、あくまでも理論的な話です。

配当狙いの長期投資

長期保有の場合「インカムゲイン狙い」になります。つまり配当金ですね(もちろん、長期保有でキャピタルゲインを狙うケースもありますが)。

会社がしっかり利益を生み出し、その中から配当金を出している限り株価が変わらなければ、理論的にプラスになり続けます。

現実はそんなに簡単ではない

会社が利益を出し、その利益から配当金を出している時は問題ないです。しかし、全ての会社が利益を出し続けるわけではないです。

蓄えがある場合、たまに利益以上に配当を出すのも問題ないですが、何年も続くのは危険ですよね。また、当然ですが赤字が続けば上場廃止や倒産することもあります。株価が下落し、配当金でカバーできないとマイナスです。

上場廃止にならなくても、配当金が無くなった株を保有し続ける塩漬けは、お金を減らしているようなものです。

最後に

投資で大きな利益を手に入れた人は短期投資が目立ちます。しかし、大きく損失を背負った人も短期投資の人が多いです。

合う合わないがある

短期投資から長期投資に変えたら利益が出るようになった。長期投資では利益が出なかったが、短期投資に変えたら利益が出るようになった。どちらも聞く話です。

人それぞれ見方、考え方など違いがあるので「正解は人それぞれ」だと思います。

何処にラインを引くかが重要

長期の配当狙いはあくまでも「確率上ではお金が増える確率が高い」というだけで絶対に増える訳では無いです。

極端な話、増える金額を気にしなければ銀行にお金を預ければ増えます(雀の涙ほどなので物価上昇などを考えると実質マイナスですが)。

1年で資産を3%ほど増やしたいというのなら長期の配当狙い投資で良いですが、1年で資産を倍に増やしたい場合は短期投資が選択肢になります。自分が何を目指しているかが投資スタイルを決める重要なポイントですよね。

注:長期保有の配当金狙い投資としてのあくまでも個人的な感想です。投資の判断はくれぐれも個人の判断でお願いします

雑記