配当利回りは3種類、長期の安定配当狙い投資では何を見るべきか
「配当狙いの株式投資」と一言で言っても複数の考え方があります。今回は「配当利回りの種類」から長期の安定配当狙い投資について考えてみました。
3種類の配当利回り
通常「配当利回り」と言った場合、ほとんどが「現在の株価」と「年間配当金の予定」から利回りを出しています。もちろん、他にも「配当利回り」の考え方があります、まずは「3種類の配当利回り」を確認していきます!
1.現在の配当利回り
雑誌などの配当ランキングで銘柄が紹介されるときは「現時点での予定利回り」が掲載されることがほとんどですね。
当然、「現在の予定利回りが高い」のは悪い事ではないです。修正が入る可能性がありますが、ある程度配当金がもらえる可能性が高いですよね。
一般的に配当利回りと言った場合、「現在の配当利回り」の事ですね。
2.過去の配当利回り
次は過去の「配当利回り」です。過去のある時点での株価と配当金で算出します。過去に高配当だったが現在は高配当ではない銘柄は沢山あります。また、高配当ではなくなった理由は、大きく分けて2つのパターンが考えられます。
株価が上昇して利回りが低下
配当金が増えても、それ以上に株価が上昇したら配当利回りは当然低下します。配当金が増え続けても株価が同じペースで上昇した場合、配当利回りが上昇することは無いですよね。
長期の安定配当狙いとしては「買い時が過ぎた銘柄」と言えますね。
減配当で利回りが低下
もう一つ、配当利回りが低下する要因としては株価が下落する勢いよりも、配当金が減る勢いの方が強く、利回りが低くなっている場合です。
長期の配当狙いとして「一番避けるべき銘柄」ですね。
3.将来の配当利回り
最後は、将来の配当利回りが高い(高くなる)というものです。過去の利回りも現在の利回りも高くはないですが、将来的に高くなるケースは当然あります。
長期の配当狙い投資として狙うのは
長期保有の配当狙いとして狙うべき銘柄はどのようなものか、具体的な数字で確認していきます。
運用期間で変化
10万円分、株を購入したとします。
現在の年間配当利回りが5%ならば1年で5,000円、2%ならば2,000円です。5%の方は配当を維持、2%の方は毎年1割増配したとします。
10年保有を続けた場合
配当利回り2%で保有。仮に毎年1割増配を続けた場合、10年後にようやく単年での年間配当金額が約5,180円となり、5%を抜くことが出来ます。
10年トータルで受け取る配当金は5%据え置きの場合は5万円、2%で1割増配の方は約3万3千円です。
増配ペースが緩やかな場合、高い利回りになるまで時間がかかります。
20年保有を続けた場合
次に20年で考えてみます。
5%据え置きは20年保有でトータル10万円、元の株式を残しながら投資金額を回収できます。2%で連続増配の場合は約12万4千円です。
長期になればなるほど「増配銘柄の恩恵」を受けることになります。
※計算を簡単にするため税金は考慮していないです。
長期保有の配当狙いでは、保有期間の前提が重要
銘柄を何年保有する予定なのか、また増配ペースが緩やかなのか、急激なのかでも狙いの銘柄は大きく変わります。
増配ペースが緩やかな場合、20年以上保有しても現状高配当で維持する銘柄の方がトータルで受け取る配当金が多くなることもあります。
長期保有を考えるなら、将来配当が増える可能性がある銘柄の方が良いです。しかし「減配しない」という条件付きですが10年程度の保有を考えるなら今の配当利回りが高いのもアリですよね
最後に
配当ランキングや高配当特集では現状の配当利回りで4%、5%を超える銘柄が紹介されます。2%や3%くらいで紹介されることはあまりないですよね。
理想は今の配当利回りが高く、増配する可能性が高い銘柄ですが現実は難しいです。
現状5%以上の利回り、増配をして10年後には利回りが10%以上になる銘柄があれば言うことはないですが、そのような銘柄はほとんどお目にかかったことがありません。
しかし、過去と比較すると積極還元・累進安定配当の企業数も増えているので将来的にはそのような銘柄が出てくるかもしれないです。その時に「あの時保有しておけば」とならないためにも色々とチェックしておくのが重要ですよね。
注:長期保有の配当金狙い投資としてのあくまでも個人的な感想です。投資の判断はくれぐれも個人の判断でお願いします